鈴木 登志雄: 研究内容紹介
2021/ 5/ 3
数理論理学(数学基礎論)と,それに基づく応用数理を研究しています.私は連続的な話題と離散的な話題の両方に興味をもって研究を進めています.
[n]は 査読付き英語論文リスト における論文の番号です.[Jn]は 日本語論文・著作リスト における作品番号です.
専門分野が遠い方,ならびに学生の皆さんへひとこと:
アマチュアの論理学ファンが「論理」や「基礎論」からまっさきに連想するのは,ブールによる論理学の代数化(時代を日本史でいうと,おおむね幕末)や,ヒルベルト学派の数学基礎論(同,大正時代から昭和初期)でしょう.現在,当然のことながら,論理学の動機も方法論も「幕末」や「大正時代」とは大きく変化し,多様化しています.
- 数理論理学(数学基礎論)
- 計算可能性理論・計算量理論
- ランダムネスと実連続関数
- [22]: (with Masahiro Kumabe, Kenshi Miyabe, and Yuki Mizusawa*, * = the correspoinding author,Journal of Logic and Analysis (2020)). ⇐ 最近の研究テーマ(1.連続的な話題).計算可能性理論における還元とは,アルゴリズム的な複雑さの観点から実数どうしを比較する擬順序(preorder)です.この研究は還元の概念を,実連続関数の言葉で理解しようとするものです.たとえば,ある条件をみたすリプシッツ連続関数が存在する(注)ことで還元を特徴付けます.解析学を論理学で基礎付ける話ではなく,「解析学は計算可能性理論の役に立つ」という話です.背景となる分野の参考書は,左記プレプリント References の 3, 9, 15.(注:2020年5月15日版に「ある条件をみたすリプシッツ連続関数が存在しないことで還元を特徴付けます」と書いたのは誤りでした.失礼しました)
- Forcing complexity:強制条件の最小サイズの数理
- 代表的論文 [6, 13] (Informatin and Computation (2002, 2015)).
- その他の論文 [11,10,9,7,5,4,3]
- 東京工業大学での発表資料 (2014年2月17日):
CTFM 2014.
スライド(外部サイト).
- 免疫集合と単純集合の計算量
- 論文 [8] (Theoretical Computer Science (2005)).
- 集合論
- 数理論理学に基づく応用数理
- 知識情報処理(人工知能)
- ゲーム木の探索コスト
- 代表的論文 [15] (with Yoshinao Niida, Annals of Pure and Applied Logic (2015)). プレプリント版は arXiv:1401.8175[cs.AI] (2014).
- 論文[15]のスライド(2014年11月17日, 神戸大学).
- 論文[21] (with Mika Shigemizu, and Koki Usami, Discrete Applied Mathematics (2020)).プレプリント版は arXiv:1804.06601[cs.DS] (2018). ⇐ 最近の研究テーマ(2.離散的な話題).ブール関数の複雑性についての研究です.ゲーム木を探索するコスト期待値についての,最大最小問題,極値問題,変分問題を考察します.しばしば等周問題と似た様相を呈します.目的関数はコスト期待値です.ブール関数とアルゴリズムは束縛条件を与えます.左記論文は,とくに浅い木特有の現象を解明したものです.背景となる分野の古典的な論文は,左記論文 References の 7, 13.
- 論文[18] (Information Processing Letters (2018)).プレプリント版は arXiv:1709.07358[cs.DS] (2017). シンガポール国立大学での発表資料 (2017年9月11日): スライド(外部サイト).
- その他の論文 [12,
17,
19a].
- 形式言語理論
- データ解析
- 論理教育(狭義の研究ではない活動を含む)
鈴木の日本語版ホームページ